クラウドSIM(クラウドWiFi)の仕組みとは?メリット・デメリット・eSIMとの違いなど

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クラウドSIMの仕組み解説記事のMV

ポケット型WiFiは、3つのキャリアLTEが使えるから対応エリアが広いクラウドSIM(クラウドWiFi)がおすすめ!なんて記事をよく見かけるようになりました。

クラウドSIMはSIMカードを端末に挿さずに利用できる次世代型通信技術であり、全世界で利用できることも相まって、注目を集めつつあります。

そんなクラウドSIMの仕組みからメリット・デメリットまであらゆることを具体的に解説していきます。

この記事の監修・執筆
吉川(よっくん)

吉川(よっくん)
Chat WiFi実務担当,クラウドSIMに詳しい人

ChatWiFiの顧客対応や実務のメイン担当。常にクラウドSIMやSoftBankSIMのことに触れ、ユーザーの気持ちに寄り添っている。モバイルWiFiの中でもクラウドSIMの知識量が豊富で、困った時の対処法からお客様一人ひとりに合わせた選び方などあらゆる方向性で活躍している。株式会社LIBAROCUS所属

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この記事の目次

クラウドSIM(クラウドWiFi)はどんな仕組み?なぜSIMカード不要なのか

クラウドSIMの仕組みと3つの特徴

クラウドSIM(クラウドWiFi)の仕組みは、クラウドサーバーに置いてあるSIMカード情報(キャリア回線を利用するための情報)をダウンロードしてきて、そのSIMカード情報と契約者情報を紐付けることができるので、SIMカードなしでネットに繋げるわけです。

もっとシンプルにいうと、端末の電源を入れた時に位置情報をクラウドサーバーへ送り、その場所で利用するのに最適なSIMカード情報を適用してネットに接続できる仕組みになっています。

だから、クラウドSIM技術を活用したポケット型WiFiは、SIMカードを差し替える必要なく、クラウドサーバー上に置いてあるsoftbankやドコモなどのLTE回線が利用できるのです。

瀬戸根

使う場所で最適な回線を選んでくれるというのが、クラウドSIMならではですね!

そもそも、なぜSIMカードが必要なの?

そもそもSIMカードを挿す理由は、通信を行うために必要な、モバイル回線の契約者情報・キャリア情報・電話番号がSIMカードに記録されているからです。

ちなみに、SIMは「Subscriber Identity Module(加入者認識モジュール)」の略称で、加入者を認識するための装置・器械を表しています。

そしてキャリア情報や電話番号・利用者情報を記録できるのが回線事業者だけなので、利用する回線事業者から提供されるSIMカードを挿ささないと、電話番号を認証されないのでWEBに接続できなかったわけです。

SIMカードなしで通信をすると。個人を特定する情報がなく、ネット犯罪し放題がおきたときに犯人を特定することができなくなるというわけです。

光回線は番号ないけど変わるものがある

光回線などの固定回線は、物理的な光回線を利用するので、ONU(終端装置)に登録するプロバイダ情報がこれにあたり、プロバイダから発行されたものを利用しないと認証できずネットに繋がらないというわけです。

【注意】クラウドSIMとeSIMは似ているが違うもの

クラウドSIMと似たeSIMというものがあり、どちらも物理SIMが不要という点では同じなので、仕組みも同じと勘違いされますが全く違うものです。

SIM仕組み
クラウドSIMクラウドサーバーが契約している回線のSIM情報を使って通信を行う
eSIM端末に埋め込まれたSIMに、契約したキャリア情報(プロファイル)を書き込んで通信を行う
※複数キャリアの情報を入れるのも可能(切り替えて使用する)

ちなみにどちらも海外回線が使えるようになりますが、クラウドSIMは契約しているクラウドSIM業者が設定している料金を払う必要があります。

ただeSIMは、キャリアが定める料金プランを契約するので、海外利用時の料金は全く異なってきます。

どちらもオンライン上で簡潔する仕組みですが、契約や通信の概念が異なるわけです。

クラウドSIM(クラウドWiFi)のメリット

クラウドSIM(クラウドWiFi)を使うメリットは以下の通りです。

メリット
  • 日本なら3大キャリアのLTEが使えてスマホ並に繋がる
  • SIM購入不要&端末そのままで海外でも使える
  • 3日間の速度制限がない

ひとつずつ詳しく説明します。

日本なら3大キャリアのLTEが使えてスマホ並に繋がる

クラウドSIMは、3大キャリア(au・ドコモ・SoftBank)のLTE回線が使えるので、スマホを使うような感覚で圏外しらずな使い方ができます。

ただ、どのキャリアLTEに繋がるかは、クラウドサーバーが決めるので、自分でドコモLTEに繋ぎたい!SoftBankLTEにつなぎたいと思っても選ぶことはできません。

しかし、auLTEが圏外の場所なら、繋がるSoftBankLTEを選択してくれたり、各キャリアの弱点を補う事もできるので圏外になることが少ないのも魅力です。

スマホのLTE対応エリアと全く同じではない

LTE回線自体が飛んでいるエリアでも、利用しているWiFi端末のアンテナ受信感度次第では、繋がらない可能性もあります。

LTE対応エリアでも、スマホと全く同じと行かない可能性があることだけ想定しておきましょう!

SIM購入不要&端末そのままで海外でも使える

クラウドSIM(クラウドWiFi)は、海外でもその国で使えるLTE回線や3G回線が使えるSIM情報が用意されているので、SIM購入不要で端末そのままで利用できます。

そのため、その国独自の回線が使えるWiFiをレンタルする手間が必要なくなります。

またスマホの国際ローミングより安く使える料金設定になっていて、1日1GBあたり1,000~1600円ほどで利用可能です。

クラウドSIMの業者ごとに、利用国数&料金が違う

ZEUS WiFiなら106カ国で1日300MBが100~600円と国ごとに料金設定が違います。ただMugen WiFiは国ごとではなく、海外を2つのエリアに分けて、それぞれ1日1GB1200円・1,600円というプランになっています。

海外利用時の料金・使い方が契約しているクラウドSIMごとに違うのでご注意ください。

3日間の速度制限がない

クラウドSIM(クラウドWiFi)は、1ヶ月100GBプランがメインで、派生として月20GB・月50GB、1日3GB~7GBのプランが用意されています。

ただ、WiMAXのように3日10GB・3日15GB制限はありません。

完全使い放題プランは2020年5月には廃止となったのでは現在はありませんが、3日制限がないだけ使いやすいと感じる人のいるのではないでしょうか。

3日制限がないはメリットにならない人も

WiMAXは3日10GB・3日15GB制限がありますが、速度制限は1日だけで18~2時までの間だけ約1Mbpsに制限されるという緩いものになっています。

3日制限を上手に使えば、ある意味100GBや200GB以上に使うこともできるので、メリットにならない人もいるでしょう。

クラウドSIM(クラウドWiFi)のデメリット

クラウドSIM(クラウドWiFi)を使うデメリットは以下の通りです。

デメリット
  • 通信速度が他ポケット型WiFiより遅い
  • データ容量超過時の速度制限が厳しい
  • 海外利用料は結局レンタルより高い
  • 端末故障時は高額費用がかかる

1つずつ説明をします。

通信速度が他ポケット型WiFiより遅い

基本的にクラウドSIMの通信速度は他のポケット型WiFiより遅めです。

実際に計測した実際の通信速度データを御覧ください。

WiMAXとクラウドSIMの通信速度の違い
左・中:クラウドSIM、右:WiMAX

どの時間帯でもWiMAXよりも遅いのがわかります。

ちなみに、今ポケット型WiFiは回線ごとに分けると全9種類あり、通信速度が速い順に並べてみました。(上が速い、下が遅い)

通信速度ランキング
  1. ドコモ(キャリア版)
  2. au(キャリア版)・SoftBank(キャリア版)
  3. 楽天モバイル・WiMAX・SoftBankSIM
  4. ワイモバイル
  5. クラウドSIM
  6. ドコモSIM

この中で最も遅いのが、ドコモSIMで、次に遅いのがクラウドSIMとなり、ポケット型WiFiで一番利用者の多いWiMAXはちょうど中間にあたります。

WiMAXが一番人気の理由は、キャリア回線は高速LTEが使えるのでかなり速いけど、その分月額料金や端末代が高すぎるのでコスパが悪く選ばれていないからです。

データ容量超過時の速度制限が厳しい

クラウドSIMの規定データ容量超過時の通信速度制限は、128~256Kbpsという厳しいものです。

この通信速度では、動画の視聴はまず不可能、WEBサイトの閲覧でさえ軽いページで1分ほど開くのにかかります。画像の多いWEBサイトの閲覧はサーバーがタイムエラーを出して表示不可になることも多いです。

また、LINEのメッセージ送受信は可能ですが、スタンプや画像の送受信はエラーが出ることも多く、今の時代においてWEBを満足に利用できるとは言えない速度といえます。

海外利用料は結局レンタルより高いことも

クラウドSIMの海外利用料は会社ごとに設定料金が違いますが、1日1GB1,000円を超える業者の場合、基本的に利用する国で使える海外WiFiをレンタルするほうが安いです。

例えば、MugenWiFiをアメリカで使うと1日1GB1,200円かかりますが、グローバルWiFi・フォートラベルだと1日1.1GBで587円で済みます。

数日使えば数千円の差がでてくるので、海外で利用する日数次第ではクラウドSIMを使わない方が良いこともあります。

端末故障時は高額費用がかかる

クラウドSIMが端末が故障すると修理・交換されるまで利用できず、端末と契約が紐付いている事が多く、端末が故障すると中古端末を購入してSIMカードを差し替えてといった使い方ができません。

その結果、端末が故障すると契約している業者に、約2万円ほどで費用修理対応や交換を依頼することになってしまいます。

※厳密には中古端末で利用可能ですが、契約と紐付いているので別途弁済金が発生します。(コレは次に説明)

購入型&補償オプション加入時&利用1年未満ははこの限りではない

それがだいじWiFiのように端末購入型のクラウドSIMは、故障時でも中古端末を2000~3000円で購入して、中のSIMカードを差し替えれば使えます。

また、契約1年未満であれば、端末にメーカー保証が付いているので、自然故障に限り無料修理してくれます。

もちろん、補償オプション加入時も保証内容に応じて対応してくれます。

解約時の端末弁済金が高い

クラウドSIMはレンタル扱いになっている業者がほとんどで、解約時に端末返却必須です。これら業者において端末の返却ができなかった場合、違約金とは別で弁済金が請求されます。

この弁済金が非常に高く約2万円ほどで設定しているクラウドSIMがほとんどです。

なぜ弁済金が掛かるの?

クラウドSIMは端末と契約が紐付けられており、業者側も代理店から端末を購入して仕入れているので、その分の費用を払う義務があるため弁済金が設定されているのです。

端末購入型のクラウドSIM業者は、端末所有権が契約者にあるので逆にこういった点で安心はできます。

クラウドSIMはどれを選べばいいの?

結論からいうと、利用するデータ容量と利用用途次第で選択肢がおすすめできる業者が変わります。

例えば、データ容量100GBであれば、2年利用想定ならMugenWiFiが安いですが、キャッシュバック手続きができない人には対して安くありません。

ちなみに、そういった方&縛りなしを望まれる方が100GBを使う場合、AiR-WiFiが最安値になります。

更に、月20GBや50GBで充分という方だとAiR-WiFiやMugenWiFiは一切おすすめでき、ZEUS WiFiやMONSTER MOBILEといったクラウドSIM(クラウドWiFi)が最もコスパが良い選択肢となります。

当然100GBでは足りない!という方なら200GBのChat WiFiが最適でもあります。

このように利用するデータ容量次第で本当に最適なクラウドSIMが変わるので、まず利用するデータ容量を決め、求める契約内容などを洗い出し、その中で比較的安く使えるクラウドSIMを選ぶのをおすすめいたします。

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